「SFC修行」「SFC取得」——ANAマイルの世界に足を踏み入れると必ず目にする言葉です。でも実際のところ、SFCって何なのか、取る価値があるのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではSFCとは何か・取得までの流れ・年会費・カードの種類、そして2028年からの制度変更まで、まとめて解説します。「今から取るべきか?」という問いへのわたしなりの考えもお伝えします。
✈️ SFCとは何か
SFCとはスーパーフライヤーズカード(Super Flyers Card)の略称で、ANAが用意した上級会員向けクレジットカードです。
ANAには毎年の搭乗実績に応じて付与されるプレミアムメンバー制度(ブロンズ・プラチナ・ダイヤモンド)があります。この資格は翌年も同等の実績を積まなければ失われます。SFCはその例外で、一度取得すれば年会費を払い続けるだけでプラチナ相当の特典が永続的に使えます。
1回だけ修行してプラチナに到達しSFCを取得すれば、あとは年会費を払うだけで上級会員特典がずっと使えます。毎年の搭乗実績は問われません。空港のラウンジ、優先搭乗、荷物の優先受取——それらが飛行機に乗らない年があっても継続されるのがSFCの核心です。
なお年会費を払えばSFC資格が維持され、ゴールドへの「降格」はありません。2028年以降の新制度でも、ラウンジ利用などの一部特典が制限される「SFC LITE」状態になることはあっても、SFC会員資格自体は継続されます。
🌟 SFCの主な特典
SFCを持つことで受けられる主な特典をまとめます。国内線・国際線どちらにも適用されるものが多く、普段の移動や旅行がぐっと快適になります。
| 特典 | 内容 | 同行者への適用 |
|---|---|---|
| ANAラウンジ利用 | 国内・海外のANAラウンジが無料で利用可能(※2028年制度変更後は年間300万円決済が条件) | 1名まで無料同伴可 |
| スターアライアンスゴールド | スターアライアンス加盟航空会社利用時もゴールド特典が使える(他社ラウンジ・優先搭乗など)(※同上) | 他社ラウンジは1名まで |
| 優先チェックイン・搭乗 | 専用カウンターでの優先チェックインと優先搭乗。混雑時にストレスなし | 同行者も同伴可 |
| 手荷物優先受取 | 到着時の荷物が優先的に出てくる。乗り継ぎや時間節約に効く | 本人分のみ |
| 特典航空券の優先枠 | 一般会員2席に対しSFC会員は1便4席の特典枠。予約開始タイミングは一般会員と同じ | — |
| プレミアムメンバー専用デスク | 予約・問い合わせ専用の電話デスクが使える | — |
| フライトボーナスマイル | 搭乗時のフライトボーナスマイル積算率がアップ(ゴールドカードは+40%) | 本人分のみ |
| 家族カード | 家族カードを発行することで家族が「別のSFC会員」として特典を受けられる | ※家族カード参照 |
※ ラウンジ利用とスターアライアンスゴールドは2028年4月からの新制度では年間決済額300万円以上の場合(SFC PLUS)に限られます。詳細は制度変更セクションをご覧ください。
🔢 プレミアムポイント(PP)とは
SFCを取得するには、まずプレミアムポイント(PP)を使ってプラチナ会員に到達する必要があります。PPはマイルとは別の「搭乗実績指標」です。
マイル:ショッピングや搭乗で貯まり、特典航空券などに交換できる。いわば「使えるポイント」。
プレミアムポイント(PP):搭乗した区間・運賃クラスに応じて貯まる。特典には使えず、ステータス判定にしか使わない「走行距離計」のようなもの。1月1日〜12月31日でリセットされる。
PPは「区間基本マイル × 運賃の積算率 × 2(国内線)」などで計算されます。高い運賃クラスで乗るほど多く貯まるため、修行ではPP単価(1PPあたり何円かかるか)が低い路線・運賃を探すのが定番です。
プラチナサービスに到達するには年間50,000PP以上の獲得が必要です(うちANAグループ運航便での獲得が条件)。1月〜12月のリセット制なので、1年以内に集中して積み上げる必要があります。これが「修行」と呼ばれる理由です。
✈️ SFC取得条件と「修行」
SFCに申し込めるのは、ダイヤモンドサービスまたはプラチナサービスの資格期間中のみです。その資格を得るために多くのPPを1年で積み上げることを「SFC修行」と呼びます。
- 年間50,000PP以上を獲得してプラチナ(またはダイヤモンド)に到達する
- その資格期間中(到達した年〜翌年3月末)にSFCを申し込む
- 申し込み期限を過ぎると資格を失い、再度修行が必要になる
修行コストは選ぶ路線・運賃・クラスによって異なります。定番は羽田〜那覇・石垣の最安運賃(スーパーバリュー)での往復で、エコノミーなら30〜50万円前後が目安とされています(時期・運賃状況による)。
| 路線(羽田発) | 片道PP目安 | 50,000PP到達の目安 | PP単価目安 | 費用目安 |
|---|---|---|---|---|
| 羽田〜那覇(エコノミー最安) | 約1,476PP | 約17往復 | 約8〜10円 | 35〜45万円 |
| 羽田〜石垣(エコノミー最安) | 約1,836PP | 約14往復 | 約6〜7円 | 30〜35万円 |
| 羽田〜那覇(プレミアムクラス) | 約3,000PP〜 | 約9往復 | 約10〜12円 | 40〜55万円 |
※ PPは運賃種別・搭乗ポイントにより変動します。石垣便は便数が少なく予約が取りにくい場合があります。正確なPP数はANA公式のプレミアムポイントシミュレーターでご確認ください。2026年5月19日以降は国内線運賃体系の変更により獲得PPが増える路線があります。
修行中は航空券購入でポイントが大量に積算されます。修行開始前にANAカードの入会キャンペーンを活用してボーナスマイルを獲得しておくと、修行費用の一部をマイルで回収できます。ANAアメックスゴールドはANA航空券購入時のマイル還元率が3%と高く、修行中に使うカードとして人気です。
プラチナ資格の有効期限は「達成した年の翌年3月末」です。1月に達成すれば約15ヶ月の猶予がありますが、12月にギリギリ達成した場合は翌年3月末まで3〜4ヶ月しかありません。年末年始のANA側の処理を考えると実質2〜3ヶ月になることも。修行は年前半〜夏頃に終わらせておくと安心です。
💳 年会費・カードの種類
SFCはグレードとブランドによって複数の種類があります。グレードは一般・ゴールド・プレミアムの3段階、ブランドはVISA・Mastercard・JCB・アメックス・ダイナースから選べます。
一般カードはゴールドより年会費が安いように見えますが、マイル移行の2倍コース手数料(年6,600円)が別途かかります。年会費差がわずかなのにメリットが少ないため、マイラー界隈ではゴールドカード以上を選ぶのが定番です。
ゴールドカードのブランド別年会費・特徴比較
| ブランド | 本会員(基本) | 家族カード | マイル還元率 | 海外ラウンジ | 旅行保険 |
|---|---|---|---|---|---|
| VISA / Master | 16,500円 | 8,250円 | 1.0% | なし | 利用付帯 |
| JCB | 15,400円 | 4,400円 | 最大1.075% | ラウンジキー | 自動付帯 |
| アメックス | 34,100円 | 17,050円 | 1.0%(ANA系2%) | プライオリティパス | 利用付帯 |
| ダイナース | 29,700円 | 12,650円 | 1.0% | 個別ラウンジ | 自動付帯 |
※ 年会費は2026年5月時点。VISAはマイ・ペイすリボ(リボ払い設定)を活用すると割引があります。詳細はマイ・ペイすリボの解説記事をご覧ください。最新の年会費はANA公式サイトでご確認ください。
VISA / Mastercard:海外での使いやすさが強み。年会費は最安水準だが海外ラウンジなし。
JCB:年間利用額でボーナスポイントがつくJCBスターメンバーズ制度があり最大1.075%還元。旅行保険が自動付帯でラウンジキーも付くため、コスパ重視ならJCBが定番。
アメックス:ANA航空券購入時のマイル還元率2%・プライオリティパス付帯が強み。修行中に使うカードとして人気。SFC取得後は年会費が高いため、JCBやVISAに切り替える人も多い。
ダイナース:特典は最も充実だが年会費が高く、使えるお店が限られる。
本会員と生計を同一にする配偶者・両親・18歳以上の子どもが家族カードを持てます。家族カードは「同行者」とは異なり、家族が別のSFC会員として特典を受けられます——本会員と同じ便に乗る必要はなく、1人で搭乗してもラウンジが使えます。
一方、家族カードを持たない同伴者(友人など)は「同行者」扱いで、ANAラウンジへの同伴は1名まで無料。それ以上はマイルが必要です。
たとえば夫婦でSFCを持ち(本会員+家族カード)、それぞれが同行者1名を連れられるので、夫婦+子ども2人の4人まで無料でラウンジに入れます。
🧭 取得までの具体的なステップ
現在ANAワイドゴールドVISAを持っている方を例に、SFCゴールドVISAに切り替えるまでのステップを整理します。
修行中は航空券購入でポイントが多く積算されるカードを使うのが効率的です。入会キャンペーンが充実しているANAアメックスゴールド(ANA航空券3%還元)が修行中の選択肢として人気です。キャンペーンマイルを修行前に獲得しておくと修行コストの一部をマイルで回収できます。
1月〜12月の間に50,000PP以上を獲得します。PP単価の低い路線(那覇・石垣方面など)を選び、効率よく積み上げるのが定番です。達成した年の翌年3月末まで「プラチナサービス」資格が有効です。
プラチナ資格が有効な期間(到達した年〜翌年3月末)にSFCへの申し込みを済ませます。この期間を過ぎると申し込めなくなるため、達成したら早めに手続きしましょう。なお12月にギリギリ達成した場合は翌年3月末まで3〜4ヶ月しかないため、できるだけ年前半〜夏頃に達成しておくと余裕を持って手続きできます。
同一ブランド・同一グレード間の切り替えは審査なし・カード番号変更なしで手続きできます。vpassから手続き可能で、貯まっているVポイントもそのまま引き継げます。
取得後は年会費を払い続けるだけでSFC特典が継続します。毎年の修行は不要です。2028年以降は年間決済額300万円によってサービス内容が変わる点は注意が必要です(後述)。
SFCは保有しているカードがSFC機能付きである限り有効です。カードを解約してしまうとSFC資格も失われます。ブランドやグレードを変更したい場合は、旧カードを解約する前に新カードのSFC版を申し込む順番を必ず守りましょう。
「VISAでSFCを作ったけど、後からJCBに変えたい」という場合も対応できます。異なるブランドへの切り替えは審査が発生する場合がありますが、SFC資格自体は引き継げます。手順は以下の通りです。
- ANAマイレージクラブの切り替えフォームから希望ブランドのSFCを申し込む
- 新カードが届いたら旧カードを解約する(この順番を逆にしないこと)
- マイル口座は申し込み時にAMC番号を入力すれば自動引き継ぎ
なお年度途中でブランドを変更すると、変更前のカード利用分が2028年以降の300万円判定に合算されない場合があります。変更のタイミングには注意が必要です。
⚠️ 2028年からの制度変更【重要】
2026年4月にANAが大きな発表をしました。2028年4月からSFCのサービス内容が年間カード決済額によって2段階に分かれることになりました。現行制度と変更後を比較します。
| 特典 | 現行(〜2028年3月) | SFC PLUS(300万円以上) | SFC LITE(300万円未満) |
|---|---|---|---|
| ANAラウンジ | ✅ 無条件で利用可 | ✅ 利用可 | ❌ 利用不可 |
| スターアライアンスステータス | ✅ ゴールド(無条件) | ⭐ ゴールド | シルバー |
| スタアラ他社便の優先搭乗・手荷物 | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 | ❌ 利用不可 |
| 特典ボーナスマイル(年) | なし | ✅ 5,000マイル付与 | なし |
| ANAグループ便の優先搭乗・手荷物 | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 |
| プレミアム専用デスク | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 |
| 特典航空券の優先枠(4席) | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 | ✅ 利用可 |
※ 特典航空券の優先枠(4席)は予約開始タイミング(355日前9時)は一般会員と同じです。「4席分の椅子取りゲームに参加できる」というイメージで、優先的に取れるわけではありません。
2026年12月16日:判定期間スタート(〜2027年12月15日)
2028年4月1日:新区分でのサービス開始
判定は毎年実施されます。達成できなかった年はSFC LITEのサービスになりますが、SFC資格自体は失われません(退会にはなりません)。ゴールドへの降格もありません。年会費を払い続ける限りSFC会員は継続されます。2028年3月までは現行ルールでラウンジが使えます。
- ANAカード→ANA Payへのチャージ分:チャージ自体はカウント対象外。ANA Payで実際に支払った金額がカウントされる(二重計上を防ぐため)
- 電子マネーへのチャージ・利用:PASMO・Suica・楽天Edyなど交通系含む電子マネーは対象外
- 年会費・各種手数料・キャッシング
- 途中でカードブランドを変更した場合:変更前の旧カード分は原則合算されない。修行中のブランド変更は厳禁
なお家族カードの利用分は本会員に合算されます。また税金・公共料金・ふるさと納税などの支払いも通常のショッピングと同様にカウント対象です。
ANAグループ運航便で累計100万マイルを積算したお客様は、年間決済額に関わらずSFC PLUSのサービスが適用されます。
この制度変更は新規入会者だけでなく、既存のSFC保有者にも適用されます。これまで「年会費さえ払えば一生ラウンジ使い放題」だった仕組みが、年300万円決済という条件付きに変わりました。
🤔 今から取る価値はある?
制度変更の発表を受けて「SFCを取る意味はなくなった?」という声も聞かれます。まずどんな人に向いているかを整理した上で、わたしなりの考えをお伝えします。
✅ こんな人には向いている
- 年間300万円決済が現実的に届く見込みがある
- 国内外の旅行頻度が高く、ラウンジを使う機会がある
- 家族カードで家族も一緒に恩恵を受けたい
- 修行のためにまとまった休みが取れる
- 沖縄・石垣への往復を苦に感じない(むしろ楽しめる)
⚠️ こんな人は慎重に
- 年間300万円決済が難しい生活スタイルである
- 飛行機に乗る機会がそれほど多くない
- ラウンジをあまり使わない自覚がある
- 修行のための時間・休みが取りにくい
- 同じ路線を短期間に何度も往復することに抵抗がある
わたし自身は、今すぐ修行に踏み切るつもりはありません。試算してみたら年間300万円決済には届かなかったこと、そして以前プライオリティパスを持っていたときも結局ほとんど使わなかったことから、今の生活スタイルには少しオーバースペックかなという印象です。
ただ、将来的に旅行頻度が上がったり生活スタイルが変わったときには、改めて検討したいと思っています。「一度取れば年会費だけで維持できる」という仕組みは、タイミングさえ合えば十分魅力的だと感じています。
✏️ まとめ
SFCは一度の修行でプラチナ相当の特典を永続的に得られるカードです。空港ラウンジ・優先搭乗・特典航空券の優先枠など、ANAをよく使う人にとっての恩恵は大きいです。
ただし2028年からの制度変更で、年間300万円決済を達成できるかどうかでサービス内容が変わります。修行を検討する際はこの条件も踏まえてコストと便益を比較することが大事です。
取得ステップ・年会費・カード選びは複数の選択肢があるので、自分の利用スタイルに合わせて選びましょう。
※ この記事の情報は2026年5月時点のものです。年会費・制度は変更になる場合があります。最新情報はANA公式サイトでご確認ください。
まいろ

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